深谷薬局 養心堂
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417.体内で出来る邪気もある。

病気の原因となる邪気ですが、外から侵入するだけでなく、体内で作られる場合もあります。
体の中には、気血水が流れています。
この流れが滞るとそこで渋滞して、邪気になります。
気の流れが悪くなって出来る邪気を気滞と言います。
水の流れが悪くなって出来る邪気は痰湿と言います。
そして血の流れが悪くなって出来る邪気が瘀血です。
これらの邪気が出来ると、流れの邪魔をして、ますます気血水の流れが悪くなります。
また、これらの汚れや流れは相互に関係しています。

気滞の場合の特徴は、変化が多い事です。
一部分が張る感じ、つまる感じ、そして痛みを伴う事もあります。
ただ、ずっと同じ場所でなく、移動します。
また移動しなくても、1日中ずっと同じ症状ではなく、よくなる時間もあります。
多くはストレスで悪化します。

痰湿の場合は、水の流れが悪いので、むくみが出やすいです。
全身のむくみは少なく、体の一部分のむくみが多いようです。
痰湿を見分けるのに大切なのは、舌の状態です。
痰湿が多いと、舌が大きくなり歯型がつきやすくなります。
また舌の上の苔も厚くなります。

瘀血の場合は血流が悪くなり、痛みが出やすくなります。
しびれ、冷えなどを伴う事か多いです。
時にその部分の色が変化して、紫色やどす黒くなります。
瘀血が長く続くと舌も変化して、舌のくすみ、シミ、舌の裏側の血管の怒張などが見られます。
瘀血の特徴は、場所と症状が比較的固定している事です。

それぞれの邪気によって、治療法は全く違います。
一般的には、気滞には開気丸、柴胡疎肝湯などを良く使います。
痰湿には、五苓散、温胆湯などを良く使います。
瘀血は、冠元顆粒や循環元などを良く使います。
体質なども考慮する必要があります。

416.邪気が裏に結するとは?

体内に入り込んだ邪気が胃腸に長く居座ると、大抵は熱に変わります。
熱は水分を奪う性質があり、便が固くなります。
そうすると、潮熱と言って、潮が満ちてくるように全身に大量の汗が出ます。
通常は汗が出ると熱は下がるのですが、潮熱の場合は下がりません。
特に夕方から夜に熱が出る事が多く、光熱が出ます。
朝方は少し熱が下がります。
熱が高い場合は、意識が朦朧としてうわ言を言います。
今なら、こんな状態なら病院の入院して点滴を受けるでしょう。
では、点滴など無い頃はどうしたかというと、意識を回復されるため開窮薬を使います。
牛黄清心丸などが有名です。
次に下剤を使って便を出します。
便が出ると熱は少し下がり、意識もはっきりしてきます。
引き付けを起こしている場合は、羚羊角などを良く使います。
こういった重症の患者さんの治療方は昔の漢方の本に沢山書かれています。
医療の発達した今の日本では使う機会はまず無いと思います。

415.邪気が中に入った!

体表から入った邪気はうまく追い出せないと中に入っていきます。
ただ、一部の邪気は表からでなく、直接中に入ります。
例えば、口から侵入して胃腸に居座る邪気です。
胃腸風邪とか、食中毒などと言ったものと考えて下さい。

邪気が胃腸に入った場合の症状は、嘔吐、下痢、腹痛になります。
中医学的には、嘔吐、下痢の初期は嘔吐、下痢は止めないで、悪いものを全部出してしまいます。
ある程度悪いものが出たら、体力を消耗しないように下痢や嘔吐を止めても良いと考えます。
さて、邪気が胃腸に入った場合に最もよく使うのが藿香正気散、勝湿顆粒です。
前回おすすめした葛根湯、銀翹解毒散とともに備えておくと良い漢方の1つです。

414.邪気を追い出そう!

邪気は病気を起こす悪い気です。
そんなものは要らない。
はやく出ていって欲しいですね。
邪気を追い払う事を中医学では「去邪」と言います。
この去邪にも色々な方法がありますが、何処から邪気が入って来たか、そして邪気の種類を重視します。
風邪や、多くの伝染病は、体表や呼吸器から侵入します。
呼吸器は肺の一部で、肺と体表はつながっていると考えています。
この肺と体表をあわせて「表 ひょう」と言います。
もし邪気が表から侵入した場合、まず最初に行うのは発散する事です。
発散は邪気を体表から追い出すという事です。
この方法を「解表」と言います。

発散作用のあるものは、辛いものが多いとされています。
辛いというと、唐辛子のような物をイメージするかもしれません。
しかし、中医学の辛味はもう少し範囲が広いです。
例えば、玉ねぎ、ネギ、大根、春菊、紫蘇、薄荷、生姜などです。
中医学にはありませんが、ワサビなんかも辛味の強いものです。
ワサビは中国には無かったので、漢方としては取り入れられていません。
ですが、鼻の通りをよくするなどの作用があると思われ、使われないのは大変残念です。
鼻つまりの改善によく使われる麗沢運気湯にはネギが含まれていますが、ワサビを入れるともっと良いのではと思っています。

解表には、温めながら解表する方法と、冷やしながら解表する方法があります。
侵入して来た邪気の種類によって、寒気を起こしやすいものと熱になりやすいものがあります。
寒気をおこしやすいものは、温めて解表します。これが良く知られている葛根湯です。
熱に変わりやすい場合は、冷やしながら解表します、当店でも大評判の銀翹解毒散です。
葛根湯と銀翹解毒散を揃えておけばとりあえず風邪などの初期に対応できます。
ぜひ準備しておきましょう。

413.正気と邪気の戦い

中医学は昔からある医学です。
昔は、レントゲンも血液検査もありません。
血圧計、体温計すらありませんでした。
また、顕微鏡もなかったので、ウイルスはもとより細菌の存在もわかりませんでした。
しかし、目に見えないけど、何かがあるという事は感じていました。
こうした目に見えないけども働きがあるものを「気」と名付けました。

そして気を良い気と悪い気の2つに分けました。
良い気を正気、悪い気を邪気という名前にしました。
すべての病気は正気と邪気の戦いと考えました。
正気が邪気より強ければ、病気にならないか、なっても治っていきます。
もし、邪気の方が強いと病気は進行します。
ですから、中医学は、正気を助け、邪気をやっつける。
とてもシンプルです。

正気を助けるスーパーマン、それが漢方薬なのです。


412.漢方薬が良く効いた例

漢方は時として、期待以上の効果が出る事があります。
そんな時は、こちも少しびっくりします。
速攻で妊娠された方からお礼の手紙を頂きました。
"人生を変える"とまで言っていただき、嬉しく思います。


「 ◯◯年◯月頃にお世話になった◯◯と申します。当時、数年間体外受精を行ってもどうにも結果に結びつかず、心身ともに追いつめられて行き詰まっていました。
その日は私の誕生日で、婦人科で「今回も卵子がうまく育っていない。薬でリセットしましょう」と言われ、急にがっくりきて心が折れた私は治療を一旦やめようと思いました。
帰り道、ずっと気になっていた深谷薬局さんへ飛び込みで伺って相談させていただきました。
優しく迎えてくださり脈を見て「この卵はちゃんと育つと思うよ」と言ってもらえた時の感動は忘れられません。
とりあえず1カ月分処方された薬を飲み終えた頃、新しく追加でもらおうと再来店した時、「おや?これは妊娠している人の脈だけどね」と言われ、いやいやそんなバカな(失礼しました、あまりに夢のようで…)と思いつつ、追加分を購入して帰った夜、陽性反応が出たのでした。
病院で「育たない」と切り捨てられそうになった卵が、おかげさまできちんと成長してくれて、今はもう4才。来月から年中さんになります!
第二子も相談に伺おうと思っていた矢先、体が整ったのかスムーズに妊娠して、下の子は先日2才になりました。2人とも毎日元気に走り回っています。

お電話以外でもずっとお礼を言いたいと思っておりました。
遅くなり申し訳ありません。
本当にあの日、このお店に立ち寄らなかったら、子どもたちには巡り会えていませんでした。
先生には人生を変えてもらったも同然です。
心から感謝を…!!ありがとうございました。
これからも育児をがんばります。 」

皆さん全員にこのような効き目が出れば良いですが、私の力も漢方の力もそこまでではありません。
ただ、このように上手く行く事も時々あります。
それが40年以上、漢方を勉強している1つの理由です。

411.中国のドラマ

中国ドラマを良く見ている。
中国語の勉強になるという理由だが、実はけっこうストーリーにはまっている。

中国ドラマには「神仙物」という日本にはあまり無いジャンルがあり、中国でも人気のようだ。
アニメで言えば「鬼滅の刃」とか「ドラゴンボール」のようなものだが、CGを使った実写。
初めのうちは色々と違和感があったが慣れてしまい、それが普通になってしまった。
細かい事は気にしないで、おおらかに楽しむ方が言い。

で、今回見たものは、それとは違って、現代の中医師(漢方医)の話。
タイトルは「爱你」。名前から分かるように単純なラブストーリーだ。
不眠症で悩む女性が病院に行き、病院のエリート中医師に診てもらう。
中医師はその女性に一目惚れしてしまう。

爱你は病院を舞台にしている。
今の中国の漢方事情がわかり、とても面白かった。


410.不登校

最近、子どもが学校に行けなくなったという相談が増えています。
コロナの流行と関係がある様に思っていたのですが、それだけでは無いようです。
学校でいじめにあっているなどのはっきりした原因がある場合もありますが、
そうで無い場合の方が多いようです。

症状は胃腸の症状が多く、お腹が痛くなる、吐き気、トイレに行きたくなるなどの胃腸の症状が多いようです。
他には頭痛、めまいなどもよくあります。
朝起きるのが苦手で、昼ころまで寝ている場合もあります。
午後からは比較的元気で、休みの日も問題ありません。
本当にお腹が痛いの?と思う事もありますが、仮病という分けではありません。
「学校に行きたくない」という人だけでなく「学校には行きたいのに行けない」という場合もあります。

漢方的に考えてみます。
学校に行く事がストレスになり、心(しん)が影響を受けます。
この状態を心神不寧(しんしんふねい)と言います。
比較的強いストレスを受けた時に、心が安定しない状態です。
不安感が強くなり感情のコントロールがうまく行かなくなります。
心神不寧の状態は肝鬱気滞(かんうつきたい)を引き起こします。
肝鬱気滞は自律神経が不安定な状態です。
自律神経は胃腸をコントロールしていますから、肝鬱気滞で一番多いのは、腹痛、吐き気、下痢、食欲不振などです。
この場合、胃腸の検査をしても異常が無い事が多いです。

漢方を使う場合、心神を安定する養心安神の漢方、そして気の流れを調整する疎肝理気の漢方を使います。

409.花粉症の漢方

花粉は、中医学では外邪と考えます。
ただし、花粉の邪気としての性質はごく弱いものです。
ですので、虚邪とも言います。
こういった虚邪は普通は人を傷つける事はありません。
しかし、体質的に虚弱だったり、体内に汚れがあると花粉症がおこります。
体を守る気は衛気といいます。
衛益顆粒のように衛気を補うものや、体内の汚れ、特に痰湿を取り除くものを普段から使っていく事が大切です。
ですが、なってしまった状態なら、体質改善は間に合いません。
この場合は、対症療法になります。
鼻水、くしゃみ、鼻詰まり、目のかゆみなどの症状から何を使うか決めていきます。

408.風邪の漢方

今日は風邪の漢方についてお話します。
風邪は大きく分けて「風寒」と「風熱」があります。

風寒型は、寒気を伴うのが特徴です。
寒いと体が固くなります。
ですから、筋肉のこり、痛みを伴う事があります。
この時、脈は固くなっています。
これは寒さで血管が収縮するためです。
使う漢方薬としは、体を温めて発散するものを使います。
発散は、体内の毒素を追い出すためです。
よく使うのが葛根湯です。
この時、咳をともなう場合は麻黄湯、鼻水を伴う場合は小青龍湯を使います。
どの処方も麻黄と桂枝という生薬が含まれています。
この2つを同時に使うと、温めて発散する力が強くなります。
ただ、注意点としては、あまり長く使うと体力を消耗するとか、夜眠りが悪くなる、血圧が上がるなどの場合もあります。
葛根湯などを長期間使う場合は注意が必要です。

風熱型は、熱が出やすいのが特徴です。
喉の乾き、痛みを伴う事が多く、顔が赤い、だるいなどの症状も出やすいです。
代表的な処方は銀翹解毒散です。
ほとんどの風熱型はこれで対応できます。
咳がひどい場合は麻杏甘石湯と併用します。
鼻の症状が強い場合は、頂調顆粒や麗沢運気湯併用します。
粘膜の症状の場合は甘露飲もよく併用します。



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